スーパーでインスタントラーメンを選ぶとき、二つの選択肢があります。
カップラーメン = 価格が高い
袋入りラーメン = 価格が安い
カップのインスタントラーメンは袋麺よりも価格は高くなります。しかし、魅力的な新商品が次々と発売されるので、いつも買ってしまう方は多いはずです。
このカップ麺、袋ラーメンにまつわる・・
インスタントラーメンの袋麺が安い理由とは?
カップ麺が高くなってしまう理由
今のトレンドとインスタント麺が安くなるとき
これらの疑問について分かりやすく見ていきます。
インスタントラーメンの価格を安くできる理由
袋ラーメンが安くできる理由の前に、まずはカップ麺、袋麺ともに・・
この理由から見ていきます。
インスタントラーメンはコンビニでも扱っていますが、コンビニと違って大量に販売できる:売り上げ数を大幅アップが期待できるスーパーでは、製造メーカーから販売奨励金を受け取れることがあります。
製造メーカーからの販売奨励金、いわゆるリベートとは・・
製造業者等 → 食品卸売業者等 → 小売店等
販売数量等に応じて支払われる奨励金
引用元:販売奨励金 リベート|国税庁
ここで取り決めた数量より売ることができれば奨励金を得られるので、思い切った価格設定ができます。チラシに掲載しているインスタントラーメンの価格を見て・・
これって赤字じゃないの?
という激安セールを見ることがあります。そんなときは仕入れ値ギリギリ、もしかすると赤字になっていて、奨励金でカバーする対策を予定して安値にしている可能性があります。
では次にカップ麺、袋ラーメンそれぞれの価格が高い理由、安い理由を比較します。
カップ麺の原価から分かる袋ラーメンとの違い
最初にカップラーメンの原価についてチェックします。まず・・
カップ麺です。メーカー、ブランドは関係しません。平均的な製品の原価を想定します。
表面のビニール袋をやぶって開封します。この包装ビニールも原価に含まれるのでとっておきます。
カップの状態になりました。ここで「熱湯3分」の文字を確認しておきます。
開封します。粉末スープとその他の袋を確認します。
カップ麺に入っている麺です。麺の原価は およそ15円です。
こちらは液体スープと具(かやく)です。原価はおよそ13~15円です。
そして、食べられない部分:カップ、フタ、包装ビニールです。原価はおよそ18円です。
カップラーメンの原価をまとめるとこうなります。
カップラーメンの原価 一覧 | |
麺 | 15円 |
スープ・具 | 13~15円 |
カップ・包装 | 18円 |
意外なのは、インスタントラーメンの魅力となっているスープ・具のコストよりも、カップ・包装にかかる費用が高くなることです。
麺、またはスープよりも高い カップ+フタ+包装ビニールのコスト
この調査したカップラーメンはチラシに載りやすい特価で販売されるタイプなので、原価は48円です。それなのにカップや包装にかかるコストは・・
ここまでカップのコストが高いのなら、袋ラーメンと比べて価格が開いてしまうのも納得できます。
インスタントラーメン:袋タイプは5食セットなので安い
商売の定番となる法則ですが・・
1つだけ買ったら10円
5つパックは40円(1つは8円に)
このように・・
沢山買ってくれたら、安くします!
こんな価格設定なので、できるだけ大容量パックを求める方は多いはずです。
袋ラーメンは5色パックが基本であり、最近では3食のパック売りもトレンドになってきていますが、それでもカップ麺よりもずいぶん安価になります。
安く購入できることはメリットですが、最近では一人暮らしの方が多くなってきたこともあり・・
5食パックは多くて味が飽きる
こんな不満があります。
それを反映して袋ラーメンをバラ売りをするスーパー、コンビニが増えていたり、ラ王が人気の日清食品、サッポロ一番のサンヨー食品も3食パックをアピールするように変わってきています。
カップ麺は空間(スペース)の分だけお金がかかる
インスタントラーメンの袋麺が安くて、カップ麺が高値になる理由の一つに・・
これがあります。
食品は工場から出荷して、運送、お店に搬入するまでの(または倉庫に保管する)スペースが必要です。カップ麺はトイレットペーパーのような筒状ですが、段ボールに入っているときは長方形のスペースが必要です。
これくらいの場所が必要になります。なので カップ麺の段ボール箱は大きくなり、トラックに積載できる数が制限されます。
お店に陳列するときにも同じ事が言えます。少ない個数だと売れるチャンスが減るため、カップ麺を陳列するなら袋ラーメンより価格が高くないと割に合わないことになります。
定番の袋ラーメンは安い価格でずっと売れ続ける
子供のころ、実家でいつも食べていたインスタントの袋ラーメン 例えば・・
サッポロ一番 しお
チキンラーメン
出前一丁
これら昔から変わらない定番の袋ラーメンを、今でも買い続ける方は多いはずです。となれば・・
「安さ」を知らせるだけで売れることをメーカー、スーパーも知っています。
メーカーは、CM不要で売れるのでコストが下がり、スーパーでは売れる自信があるので大量仕入れ(リベートを期待)となり、安値で店頭に並ぶチャンスが増えます。
インスタントラーメンの袋麺が安い理由:結論
物価が高くなるにつれてインスタントラーメンの価格も上昇していますが、節約が必要な時期だからこそ重要なのが安さです。カップ麺・袋ラーメンの安さにまつわる違いはこうなります。
カップ麺のカップ・梱包のコストが大きい
カップ麺は登場して(CMあり)値下げ前に消える(短期サイクル)
カップ麺は輸送・販売時のスペース効率が悪影響
袋ラーメンは、5食パックで安い
定番の袋ラーメンはCMナシでも売れる
そしてもう一つ、PB(プライベートブランド)なら安くなる傾向があります。PBとはスーパーの独自パッケージです(イオンのTopvalueなど)。
PB(プライベートブランド)なら袋ラーメンが更に安くなる
PB(プライベートブランド)がかなり安くなる理由は、極限まで原価を落としたレシピでメーカーへ発注し、必ず大量購入する契約をします(依頼した分を全部買い取ります)。
メーカー側は、売れずに在庫が残り工場の稼働がストップすることが最大の悩みなので、この不安がなく全部買ってくれる長期契約ならコストを下げる見通しが立ちます。
PB(プライベートブランド)で安くなる | ||
普通の価格 | PBの価格 | |
カップ麺 | 130円 | 79円 |
袋ラーメン | 79円 | 39円 |
袋ラーメンの人気が上昇中な理由とは?
人気のラーメン店が監修したカップラーメンがトレンドになってきていますが、袋ラーメンにこだわる方も増えています。
TBSテレビ「マツコの知らない世界」で袋ラーメンの魅力が取り上げられ、カップ麺との違いを取り上げました。
カップラーメンは注いだお湯の熱で調理しますが、袋麺はガスコンロなどで強く加熱をします。そのとき、多めの小麦粉が強い熱でモッチリの歯ごたえに仕上がります。
カップ麺よりも安い袋ラーメンが美味しく仕上がるとなれば、袋麺を探し求める方が増えます。
ガスコンロなし、ポットのお湯だけで袋ラーメンを調理する方法はこちらにまとめています。
まとめ:袋麺が安い カップ麺が高い理由
カップ麺が高い理由は、袋麺にはない「カップと包装」にまつわるコストが影響してくるからです。これにより、袋ラーメンの方が断然にコスパが良くなります。