業務スーパーで買っちゃダメな商品がヤバすぎるは本当なのか？

　業務スーパーは業績を伸ばし続け、店舗数も増え続けています。そんな 多くの方から支持される業務スーパーの食品について・・

　こんな注意喚起をする方がいることです。そんな業務スーパーにまつわる・・

　これらの疑問について分かりやすく見ていきます。

安全性に問題のある業務スーパーの食品 自主回収が頻発している

　業務スーパーで販売していた洋菓子に基準値以上の添加物が検出されたとして、保健所が神戸物産に対して食品衛生法に基づく回収命令を行いました。原因とされるのは・・

基準値を超える添加物（プロピレングリコール）の検出が確認されたため

引用元：公開回収事案検索｜厚生労働省

　ベトナムから輸入した「ミニロールケーキ」約1万4000個が自主回収となりました。基準値を超えた添加物「プロピレングリコール」は保湿剤です。

業務スーパーの自主回収の頻度がとても多い

　「ロールケーキ」の後にも業務スーパー食品の自主回収は続いており、その内容を一覧にまとめます。

　危険性の指標は3つのクラスがあります。

　この危険性を踏まえ、2024年にかけて頻発する業務スーパーの自主回収を見ていきます。

2024年9月24日届出　自主回収（治癒可能な健康被害）その他の焼き菓子

　スペインからの輸入食品であり、賞味期限が「2024年12月19日」、「2025年03月05日」のパッケージがあります。

2024年9月12日届出　自主回収（重篤な健康被害）ビスケット

　すでに該当の食品を食べて歯に怪我をした方がいます。

　該当するビスケットの賞味期限は「2025年2月22日」となります。金属異物が混入して危ないので早急な対応が求められます。

2024年6月24日届出　自主回収（重篤な健康被害）オーツ麦加工菓子

　マレーシアからの輸入食品であり、食べると怪我をする恐れがあるとしています。

2024年6月21日届出　自主回収（重篤な健康被害）冷凍焼き菓子

　別のパッケージとして売るべき「卵入りの焼き菓子」が誤って入っており、アレルゲン表示に「卵」が未記載の状態のままで販売されました。

2024年6月14日届出　自主回収（重篤な健康被害）冷凍焼き菓子

　別のパッケージとして売るべき「落花生入りの焼き菓子」が誤って入っており、アレルゲン表示に「落花生」が未記載の状態のままで販売されました。

2024年4月26日届出　自主回収（重篤な健康被害）即席めん類

2024年3月8日届出　自主回収（健康被害は考えられない）冷凍サーモン

　検出されたジブチルヒドロキシトルエンとは・・

ジブチルヒドロキシトルエン（BHT）は、動物用飼料、化粧品並びにゴム及び石油製品に対して、抗酸化剤又は防腐剤として使用される。

引用元：ジブチルヒドロキシトルエン｜厚生労働省

　アメリカ、カナダ、EUなどにおいて、飼料添加物 又は食品添加物として広く使われています。

2024年3月7日届出　自主回収（重篤な健康被害）中国産 風味調味料

2024年2月16日届出　自主回収（健康被害は考えられない）冷凍サーモン

2024年2月2日届出　自主回収（健康被害は考えられない）中国産 冷凍アスパラガス

　残留農薬の基準値を超えたイソプロカルブとは・・

イソプロカルブ（ＭＩＰＣ）は、カーバメート系の殺虫剤。

引用元：イソプロカルブ（MIPC）｜環境省

　残留農薬の基準値を超えたプロフェノホスとは・・

プロフェノホスは、有機リン系の殺虫剤。

引用元：プロフェノホス 評価対象農薬｜環境省

　残留農薬の基準値を超えたフェンプロパトリンとは・・

フェンプロパトリンは、ピレスロイド系殺虫剤。

引用元：フェンプロパトリン 評価対象農薬｜環境省

　残留農薬基準値オーバーの3種とも殺虫剤となります。

2024年1月5日届出　自主回収（治癒可能な健康被害）中国産 冷凍鶏もも肉唐揚げ

　この事例はパッケージへの記載漏れが原因です。食品添加物 赤色 102号は、適量を摂取することで健康被害がないとされる添加物です。

食品添加物 食用赤色102号 一人当たり一日摂取許容量 235.6mg

引用元：着色料、保存料の摂取量調査｜厚生労働省

2023年12月26日届出　自主回収（健康被害は考えられない）洋菓子

　基準値を超えたプロピレングリコールとは・・

低用量では生物への毒性が低く、無味無臭で保湿性と防カビ性を有する事から、保湿剤、潤滑剤、乳化剤など広範囲で用いられている。

引用元：プロピレングリコール｜Wikipedia

　ベトナムの品質基準に適するお菓子が、日本の食品衛生法に適合していない事例だといえそうです。

輸入前に添加物・農薬基準値の事前調査が求められる

　事前にアレルゲン表示にまつわる検査を徹底することで、防げた案件がいくつもあります。多少のコストアップがあっても品質と安全性を最優先にする必要があります。

　つぎは、ネット・SNSで「業務スーパーの中国産がヤバイ」などの投稿を見かける理由について。

業務スーパーの中国産は危険・買ってはいけないと言われる理由

　ネット掲示板では、業務スーパーにまつわるこんな質問があります。

　こような質問は、家族などから「中国産はダメ！買ってはいけない」と教わってきた方が、本当なのか分からず不安になっています。この中国産は危険であると注意喚起する理由は・・

　こんな事があったので、中国産の食品を食べると健康被害があるかもしれないとして、信頼する家族・友人などに「中国産は安全性が気になるので買ってはいけない」と教えています。

ネットで見られる中国産は危険！買ってはいけないとする意見

　ネットで中国産の食品が議論されるとき・・

　こんな内容が目立ちますが、その多くは中国産の食品に否定的な意見ばかりです。

　国産の食品が高くなって手が出せないので、仕方なく業務スーパーで中国産を買うことにしている方もいます。

業務スーパー 「中国産の安全性は問題無い」は本当か？

　神戸物産は海外の拠点に自社工場を持っており、技術者を派遣して製造工程の教育・衛生管理など品質管理システムを徹底しています。そんなことから、業務スーパーの中国産食品は安全だとする方もいます。

　そんな「業務スーパー 中国産の安全性」について前向きな方が口にするのが・・

　この意見です。

　中国産の食品は「安全性を高める対策が必要」と何度も言われてきましたが、現在では本当に安全性が高まっているのか正確な情報を参照します。

輸入食品：有害・有毒物質・残留農薬・添加物の検査 違反率

　輸入食品の食品検査がどうなのかについては厚生労働省の「輸入食品監視統計」を確認します。

　この統計では日本へ輸入されるすべての品目の詳細データや輸入相手国の検査結果を確認できます。輸入件数が多い上位5カ国はこうなります。

輸入件数上位5カ国の違反率 【令和3年】
	輸入 件数	検査 件数	違反 件数	違反率
中国	89万	8万3千	194	0.23%
米国	20万	1万5千	76	0.49%
フランス	20万	1万	17	0.16%
タイ	16万	1万	48	0.43%
イタリア	11万	8千	35	0.43%

　令和3年度では輸入件数の上位5カ国中、中国は違反率では4番目。

輸入件数上位5カ国の違反率 【令和4年】
	輸入 件数	検査 件数	違反 件数	違反率
中国	87万	8万3千	195	0.23%
米国	18万	1万4千	120	0.81%
フランス	20万	1万	9	0.08%
タイ	16万	1万	44	0.43%
イタリア	10万	7千	21	0.27%

　令和4年度では輸入件数の上位5カ国中、中国は違反率では4番目。

輸入件数上位5カ国の違反率 【令和5年】
	輸入 件数	検査 件数	違反 件数	違反率
中国	90万	8万5千	206	0.24%
米国	16万	1万3千	100	0.72%
フランス	18万	1万	11	0.10%
タイ	15万	1万	44	0.41%
イタリア	9万	7千	32	0.45%

　令和5年度では輸入件数の上位5カ国中、中国は違反率では4番目。

　中国の輸入件数は非常に多く 違反の件数も多い結果となりますが、件数あたりの割合「違反率」で比較するとアメリカが圧倒的に多く、続くタイ、イタリアの違反率のおよそ半分の数値が中国となります。

　これは間違いないことが分かります。

結論：中国産食品の安全性は問題ない

　放射能汚染や食中毒問題、食品表示制度の見直しなどに取り組む公益財団法人「食の安全・安心財団」では・・

　「中国産が危険である実態を知りたい」とする問い合わせが多いことから、「輸入食品監視統計」の情報をもとに結論を出しています。

輸入品、特に中国から輸入されている食品が危険とするデータはありません。

引用元：中国から輸入される食品の違反率｜食の安全・安心財団

　中国産食品の安全性は問題ないとする結論でまとめています。

　中国産の食品は、有害・有毒物質、残留農薬、添加物の違反について注視すべき問題点はありませんが、業務スーパーではより高い安全性を求めています。

業務スーパーの安全性：専門スタッフによる厳正な検査

　輸入される食品は・・

厚生労働省の「輸入食品監視指導計画」に基づき、全国の検疫所で日本の食品の規格基準に適合しているか検査が行われます。

引用元：検疫所 輸入食品の検査｜東京都保健医療局

　この各種検査をパスすることで国内で流通が認められますが、業務スーパーではさらに独自の基準を設けて安全性の検査を行っています。

　まずは食品衛生検査です。食品の安全を守るためには重要な検査です。

　そして、食肉・ソーセージ、野菜・果実類をチェックするこの検査があります。

業務スーパーが実施している・検査・検疫
	検査内容	必要な 検査証明書
動物 検疫	食肉 ハム等から 伝染病の侵入を防ぐ	輸出国政府機関 の検査証明書
植物 防疫	穀類・野菜の病害虫の 侵入・まん延を防ぐ	輸出国政府機関 の検査証明書

　この検査をパスした商品をさらに商品ごとに基準を設定して 独自検査を実施しています。

　輸入した食品すべてをランダムに抽出して、微生物検査・理化学検査・官能検査を実施しています。これらの検査を行うスタッフは検査精度チェックの訓練を受けています。

まとめ：業務スーパーの中国産を買ってはいけない？

　業務スーパーで買っちゃダメな商品がヤバすぎると、ネットで騒がれることがあります。正しく検証した事例なのか、または適当なウワサ話なのか事前に確認することが大事になります。

　ただし、残留農薬が基準値をオーバーして自主回収になっている「中国産 冷凍アスパラガス」などの例もあるので、品質表示の確認と食品安全性の情報にも関心を持つことが大事になります。